高耐久性材料の採用


 DAK式プレキャスト壁高欄システムとして、プレキャスト壁高欄本体と接合モルタルには、塩害に強い高炉スラグ微粉末を混入しています。

プレキャスト壁高欄本体

プレキャスト壁高欄のコンクリートには、標準として、早強ポルトランドセメントをベースに、高炉スラグ微粉末4000ブレーンを30%以上置換し、塩害に対する耐久性を向上させています。

製作工場によっては、早強ポルトランドセメントをベースに、高炉スラグ微粉末4000ブレーン以上を30%以上混合する場合があります。

 

高炉スラグ微粉末を混合することで、生コンクリートの流動性が促進され、緻密なコンクリートに仕上がるとともに、コンクリート表面も綺麗になります。

2017年制定の土木学会・コンクリート標準示方書【設計編・標準】「2編 耐久設計および耐久性に関する照査」に準じて、DAK式壁高欄コンクリートと普通ポルトランドセメントを用いた場所打ち壁高欄コンクリート並びに高炉セメントB種相当を用いた場所打ち壁高欄コンクリートの塩害に対する耐久設計を実施し、耐久性能を比較しました。

 
材料的特長

 比較の結果、コンクリートかぶり70mmを例に取れば、100年耐久に対し、DAK式壁高欄は、普通ポルトランドセメントを用いた場所打ち壁高欄より3倍以上、また、高炉セメントB種相当を用いた場所打ち壁高欄より2倍以上耐久性が向上しています。なお、各計算結果は普通鉄筋を用いた場合の限界値を示しており、計算結果以上にコンクリート表面の塩化物イオン濃度が高くなれば、エポキシ樹脂塗装鉄筋が必要となります。

接合モルタル

「リペアメントNS TYPEⅡ」コンシステンシー試験
(J14漏斗 流下試験)

 

DAK式壁高欄コンクリート同様、接合モルタルにも高炉スラグ微粉末を置換しており、DAK式壁高欄コンクリート以上の塩害に対する耐久性を有しています。

接合モルタルの材料である「リペアメントNS TYPEⅡ」は、本モルタルで構成される接合部を有する剛性壁高欄として、構造部材としての力学的特性を損なわないよう、フレッシュ性状及び圧縮強度に関して、NEXCOの「構造物施工管理要領」にある「無収縮モルタル」の性能を満足させています。

フレッシュ性状及び圧縮強度以外の接合モルタルの規定は、本モルタルが構造部材を成す材料という観点から、NEXCOの「構造物施工管理要領」にある「無収縮モルタル」の規定とは別に設けています。こちらは、「「リペアメントNS TYPEⅡ」を用いた接合モルタルの充填施工の手引き」を参照下さい。

「リペアメントNS TYPEⅡ」の現場での充填施工のための管理は、J14漏斗を用いたコンシステンシー試験で、8±2秒を満足するフレッシュ性状のみです。

「リペアメントNS TYPEⅡ」の使用量

25kg袋体

1袋あたりの使用量

モルタル1m3あたりの使用量

(25㎏×78袋)
リペアメントNS
TYPEⅡ
(㎏)

(㎏)
練上り量
(ℓ)

リペアメントNS
TYPEⅡ

(㎏)

練混ぜ水

(㎏)
25

4.00

(3.75~4.25)
12.9

1,938

(25kg×78袋)
310

リペアメントNS TYPEⅡを用いた接合モルタルの材齢と強度の関係

「リペアメントNS TYPEⅡ」の環境温度20℃での
 材齢-強度曲線

■材齢と強度の関係は、環境温度20℃時での試験値です。

フレッシュ性状
の目安

圧縮強度

(N/mm²

J14漏斗

(秒)
1日 3日 7日

28日

8±2 43.6 64.5 75.9 86.8

「リペアメントNS TYPEⅡ」の用途

壁高欄と床版との接合部

狭小部への充填が必要とされる部位

耐震補強で充填が必要とされる部位

コンクリート構造物の不陸調整、凹凸部の平滑化が必要な部位

遮塩性が要求される部位

施工上の注意事項

練り混ぜ水量は、環境温度、施工方法に応じて試験練りを実施の上、決定して下さい。水量範囲3.75~4.25(標準4.0ℓ/袋)

施工は練り混ぜた材料の温度が10~30℃となる範囲で行って下さい。

練り混ぜには、ハンドミキサ(回転数800rpm以上)またはグラウトミキサを用い、材料が均一に練り混ぜられたこと(2分程度)を確認してから施工(充填)して下さい。

アルミ製の練りバケツや、ハンドミキサは異常膨張の原因となりますので使用しないで下さい。

施工面は、予め表面の油類・ホコリ等を除去し、十分な水湿し又は吸水調整剤等を塗布してから施工(充填)して下さい。

鉄筋が腐食している場合は、適切な防錆処理を行った後、施工して下さい。

充填は、自重圧あるいはポンプ圧入とし、流出口からグラウト材が流出するまで連続的に注入して下さい。

施工後は、グラウトの表面が直射日光や風の影響を受けないように、布・シート等で覆い、湿潤状態で養生して下さい。また、外気温が低い場合は保温養生を行って下さい。

取扱いの注意事項

本製品の保管方法は、セメントと同様とし、破損した袋の製品は使用しないで下さい。

取扱いおよび施工には、必ず、防塵マスク、保護メガネ、ゴム手袋等の保護用具を着用して下さい。

本製品が目に入った場合、皮膚に付着した場合は、速やかに洗浄し、専門医の診断を受けて下さい。

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