高耐久性材料の採用


 DAK式プレキャスト壁高欄システムとして、プレキャスト壁高欄本体と接合モルタルには、塩害に強い高炉スラグ微粉末を混入しています。

プレキャスト壁高欄本体

プレキャスト壁高欄本体には、早強ポルトランドセメントをベースに、高炉スラグ微粉末を30%以上置換して、塩害に対する耐久性を向上させています。
また、コンクリートの設計基準強度は、40N/mm²です。

高炉スラグ微粉末を混合することで、生コンクリートの流動性が促進され、緻密なコンクリートに仕上がるとともに、コンクリート表面も奇麗に仕上がります。

 

■フィックの拡散方程式を用いて計算したDAK式プレキャスト壁高欄の耐久性能として、コンクリート表面の塩化物イオン濃度C0(kg/m3)と耐久年数(年)との関係を示しています。

材料的特長

 以上の結果から、DAK式プレキャスト壁高欄で100年の耐久性を確保するためには、例えば、塩害の厳しい環境として、コンクリート表面の塩化物イオン濃度がC0=7.0kg/m3であれば、コンクリートかぶりは62m以上確保出来ればいい事を示しています。

接合モルタル

「リペアメントNS TYPEⅡ」コンシステンシー試験
(J14漏斗 流下試験)

 

接合モルタルにもプレキャスト壁高欄本体同様、高炉スラグ微粉末を置換しており、プレキャスト壁高欄以上の塩害に対する耐久性を有しています。また、モルタルの設計基準強度は、45N/mm²です。

接合モルタル「リペアメントNS TYPEⅡ」は、施工時に現場で所定量の水を加え、練り混ぜるだけで使用できるプレミックスタイプのセメント系の高性能・高耐久無収縮モルタルです。

「リペアメントNS TYPEⅡ」は、NEXCOの施工管理要領にある無収縮モルタルの規定を満足しています。

「リペアメントNS TYPEⅡ」の現場での管理は、J14漏斗を用いたコンシステンシー試験で、8±2秒を満足するフレッシュ性状のみです。

「リペアメントNS TYPEⅡ」の使用量

25kg袋体

1袋あたりの使用量

モルタル1m3あたりの使用量

(25㎏×78袋)
リペアメントNS
TYPEⅡ
(㎏)

(㎏)
練上り量
(ℓ)

リペアメントNS
TYPEⅡ

(㎏)

練混ぜ水

(㎏)
25

4.00

(3.75~4.25)
12.9

1,938

(25kg×78袋)
310

リペアメントNS TYPEⅡを用いた接合モルタルの材齢と強度の関係

「リペアメントNS TYPEⅡ」の環境温度20℃での
 材齢-強度曲線

■材齢と強度の関係は、環境温度20℃時での試験値です。

フレッシュ性状
の目安

圧縮強度

(N/mm²

J14漏斗

(秒)
1日 3日 7日

28日

8±2 43.6 64.5 75.9 86.8

「リペアメントNS TYPEⅡ」の用途

壁高欄と床版との接合部

狭小部への充填が必要とされる部位

耐震補強で充填が必要とされる部位

コンクリート構造物の不陸調整、凹凸部の平滑化が必要な部位

遮塩性が要求される部位

施工上の注意事項

練り混ぜ水量は、環境温度、施工方法に応じて試験練りを実施の上、決定して下さい。水量範囲3.75~4.25(標準4.0ℓ/袋)

施工は練り混ぜた材料の温度が10~30℃となる範囲で行って下さい。

練り混ぜには、ハンドミキサ(回転数800rpm以上)またはグラウトミキサを用い、材料が均一に練り混ぜられたこと(2分程度)を確認してから施工(充填)して下さい。

アルミ製の練りバケツや、ハンドミキサは異常膨張の原因となりますので使用しないで下さい。

施工面は、予め表面の油類・ホコリ等を除去し、十分な水湿し又は吸水調整剤等を塗布してから施工(充填)して下さい。

鉄筋が腐食している場合は、適切な防錆処理を行った後、施工して下さい。

充填は、自重圧あるいはポンプ圧入とし、流出口からグラウト材が流出するまで連続的に注入して下さい。

施工後は、グラウトの表面が直射日光や風の影響を受けないように、布・シート等で覆い、湿潤状態で養生して下さい。また、外気温が低い場合は保温養生を行って下さい。

取扱いの注意事項

本製品の保管方法は、セメントと同様とし、破損した袋の製品は使用しないで下さい。

取扱いおよび施工には、必ず、防塵マスク、保護メガネ、ゴム手袋等の保護用具を着用して下さい。

本製品が目に入った場合、皮膚に付着した場合は、速やかに洗浄し、専門医の診断を受けて下さい。

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