高炉スラグ微粉末

❶DAK式プレキャスト壁高欄システムは、冬期の融雪剤による塩害に対する遮塩性を向上させる目的で、プレキャスト壁高欄本体には、早強ポルトランドセメントをベースに、塩害に有効とされる高炉スラグ微粉末を30％以上置換しており、一方、接合モルタルには、プレキャスト壁高欄と同等あるいはそれ以上の遮塩性を発揮できるよう、高炉スラグ微粉末を置換しています。なお、プレキャスト壁高欄本体の設計基準強度は、σ28＝40N/mm²です。

❷接合モルタルの正式名は、商品名として「リペアメントNS TYPEⅡ」です。本材料の荷姿は、25kgの袋体及び1tフレコンで、材料の物性は、試験結果の値として以下のように得られています。

❸プレキャスト壁高欄及び接合モルタルの遮塩性に対する耐久性は、JSCE-G574「EPMA法によるコンクリート中の元素の面分析方法」に準じ評価しており、プレキャスト壁高欄では、182日間の浸漬結果で、見掛けの拡散係数は、Dc＝0.534cm²/年、また、接合モルタルでは、365日の浸漬結果で、Dc＝0.217cm²/年という結果が得られています。これらの結果を基にして、土木学会のコンクリート標準示方書に準じ、フィックの拡散方程式から、場所打ち壁高欄と比較した耐久性の評価を行っています。
結果として、場所打ち壁高欄の見掛けの拡散係数の評価結果が、Dc＝0.501cm²/年に対し、DAK式プレキャスト壁高欄では、Dc＝0.130cm²/年、接合モルタルでは、Dc＝0.055cm²/年となっており、DAK式プレキャスト壁高欄は、場所打ち壁高欄に比べ、極めて高い遮塩性を有している事が分かります。