材料的特長
❶DAK式プレキャスト壁高欄システムは、冬期の融雪剤による塩害に対する遮塩性を向上させる目的で、プレキャスト壁高欄本体には、早強ポルトランドセメントをベースに、塩害に有効とされる高炉スラグ微粉末を30%以上置換しており、一方、接合モルタルには、プレキャスト壁高欄と同等あるいはそれ以上の遮塩性を発揮できるよう、高炉スラグ微粉末を置換しています。なお、プレキャスト壁高欄本体の設計基準強度は、σ28=40N/mm²です。
❷接合モルタルの正式名は、商品名として「リペアメントNS TYPEⅡ」です。本材料の荷姿は、25kgの袋体及び1tフレコンで、材料の物性は、試験結果の値として以下のように得られています。
リペアメントNS TYPEⅡの物性
物性内容 | 試験方法 | 規格値 | 試験値 (環境温度20℃時) |
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コンシステンシー | J14漏斗 | JHS-312に準拠 | 8±2(秒) | 7.8(秒) |
凝 結 時 間 | JHS-312に準拠 | 始発:1時間以上(時間-分) | 5-05 | |
終結:10時間以内(時間-分) | 7-40 | |||
ブリーディング率 | JHS-312に準拠 | 2時間で2%以内 | 0.0(%) | |
膨 張 収 縮 率 | JHS-312に準拠 | 7日で収縮を示さない | 0.2(%) | |
圧 縮 強 度 | JHS-312に準拠 | 材齢3日 :25N/mm²以上 | 64.5N/mm² | |
材齢28日:45N/mm²以上 | 86.8N/mm² |
❸DAK式プレキャスト壁高欄コンクリート及び接合モルタルの塩害に対する耐久性は、JSCE-G574「EPMA法によるコンクリート中の元素の面分析方法」に準じ評価しており、DAK式プレキャスト壁高欄コンクリートでは、182日間の浸漬結果で、見掛けの拡散係数はDc=0.534cm²/年、また、接合モルタルでは、365日間の浸漬結果で、見掛けの拡散係数はDc=0.217cm²/年という結果が得られています。これらの結果を基にして、場所打ち壁高欄の塩分調査結果から評価される見掛けの拡散係数と2017年制定の土木学会・コンクリート標準示方書【設計編・標準】「2編 耐久設計および耐久性に関する照査」に準じた場所打ち壁高欄コンクリートの見掛けの拡散係数の特性値を基本に、DAK式プレキャスト壁高欄コンクリート及び接合モルタルの見掛けの拡散係数の特性値の評価を行っています。
結果として、場所打ち壁高欄コンクリートの見掛けの拡散係数の特性値が、Dk=0.501cm²/年に対し、DAK式プレキャスト壁高欄コンクリートでは、Dk=0.130cm²/年、接合モルタルでは、Dk=0.055cm²/年となり、DAK式プレキャスト壁高欄コンクリートは、場所打ち壁高欄コンクリートに比べ、極めて高い遮塩性を有していることが分かります。